遺産分割協議を無事に完了して数年経ち、他の遺産分割協議が未了で、新たに遺産が判明するケースなどがあります。この際の処理は実際どのようにすべきでしょうか?
遺産分割の無効
先に行った遺産分割協議が成立した時点で判明していなかった遺産が後日新たに発見された場合、過去の遺産分割が全て無効になることはありません。民法907条により、共同相続人は遺産の全部や一部をいつでも分割することが可能だからです。
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第907条
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共同相続人は、次条第1項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第2項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
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遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。
実例
父の遺産分割協議が完了した10年後に、父の父である祖父が所持していた土地に遺産分割が未完了のものがありました。それ以外の祖父の遺産分割は完了しております。祖父の相続発生から30年以上経過しており、祖父の共同相続人は10人を超えてしまいます。
上記のようなケースをもとに当てはめると、まずは祖父の先行する遺産分割協議書に、新しく発見された遺産分割に関する条項があるかどうかを確認します。条項がある場合はそれに従い分割をし完了となります。また父を被相続人とする遺産分割協議書にも同様の条項があるかどうか確認する必要があります。
条項がない場合
実務上では数次相続になった場合で共同相続人が多数の場合は、遺産分割に代わって、相続分の譲渡により解決に持っていくことがあります。なぜなら、共同相続人が多いと遺産分割協議書における押印や署名が困難だからです。
自主占有
民法には他人のものを所有の意思を持って平穏かつ公然に占有し続けた場合、取得時効が成立するケースがあります。
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第162条
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20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
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10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
所有の意思を持ってものを占有することを自主占有と言いますが、今回のようなケースでは自主占有したとは言えません。したがって自主占有の時効により取得することは難しいとされております。