相続人は、相続財産の帰属が確定するまで、自己の財産と同一の注意をもって、相続財産を管理する必要があります。つまり通常は、相続財産の管理は相続人が行います。しかし、相続人がいない場合、相続財産を管理する人がいなくなってしまいます。相続財産を管理する人がいなくなってしまうと、遺贈により贈与を受けた受遺者や債権者などが困ってしまいます。そのような時のために相続財産を代わりに管理する人のことを、「相続財産管理人」といいます。
相続財産管理人とは、「相続人がいない、あるいは、いるかどうか分からない場合や、相続人がいたとしても全員相続放棄してしまっている場合に、代わりに相続財産の調査、管理を行う人のこと」をいいます。このように、相続人がいる場合であっても全員相続放棄してしまっている場合も含まれます。これは相続人がいないのと同じことですから、このような場合も財産管理人の選任が必要です。
相続財産管理人に選任されるために、特別な資格は必要ありませんが、被相続人との利害関係などを考慮して相続財産を管理するのに最も適した者が選ばれます。通常は司法書士などの法律の専門家が選ばれることがあります。
特別縁故者
被相続人の債権者や、遺贈により贈与を受けた受遺者など、相続財産管理人がいないと困ってしまう人たちがいましたが、その他にも困ってしまう人がいます。それは、特別縁故者という人たちです。
特別縁故者とは、被相続人と特別の関係にあった者のことをいいます。例えば内縁関係にあった者などです。
いくら内縁関係であったとしても婚姻していなければ相続人とはならないのです。つまり遺産を相続できません(昨今の日本社会においてはこのような方々が多くいらっしゃいますので、相続人にならないというのは非常に複雑な心境ではありますが・・・・)
しかし、本来遺産を相続するのは法定相続人と呼ばれる人たちですが、法定相続人がいない場合には相続人ではない特別縁故者にも遺産が分与されることがあるのです。そこでこのような人たちがいた場合、相続財産管理人がいないといつまでたっても分与の手続きが行われないということが起こりますので、特別縁故者のためにも選任する必要があるのです。
相続人がいないときの手続きの流れ
さて、では相続人不在時にどのように手続きが進んでいくのでしょうか?
一般的には以下の流れで進んでいきます。相続財産管理人が、清算手続きを行い、最終的に遺産が残っていれば国庫に帰属します。
- 家庭裁判所が相続財産管理人を選任し、その旨を公告する。
- ①の公告から2か月後、相続債権者および受遺者に対する公告をする。
- ②の公告から2か月後、相続人探索のために6カ月以上の期間を定めて公告する。
- ③の期間満了後、相続人不存在が確定する。
- 相続人不存在が確定したら、相続財産管理人が相続債権者および受遺者へ弁済する。
- 特別縁故者からの分与の申立があれば、財産分与の手続きを行う。
- それぞれ必要な支払い等をして、残余財産があれば国庫に帰属する。
相続人がいない場合のお手続きについては
城東相続センターへご相談ください。
相続財産管理人についてご説明しましたが、相続財産管理人になるには特別の資格がいらないとはいえ、一般的には司法書士等の法律の専門家がなることが多いです。
それはなぜかというと、次のとおり、財産管理人のなすべきことが多岐に渡るからです。
- 相続人の探索
- 相続財産の調査
- 相続財産の管理および換価
- 債権者・受遺者・特別縁故者への支払い手続き
- 残余財産の国庫への帰属手続き
このように、相続財産管理人には多くの権限があります。上記手続きの流れでご説明申し上げた通り、手続きの終了(国庫への帰属)までに多くの時間がかかります。特別縁故者からの申立があれば、さらに手続き終了までの時間が延びてしまうでしょう。また、準備する書類なども多く必要になる上に、手続きも複雑になることが多くなります。このようなことから一般的には専門家が選任されるのです。
城東相続センターは墨田区、江戸川区、江東区、市川市を中心に相続に特化した、司法書士、行政書士事務所です。司法書士が在籍しておりますので相続財産管理人の選任など、相続お手続きについて少しでもご不安な方はお気軽にご相談ください。ご相談は無料となっておりますので、まずはお気軽に下記お電話・お問合せフォームよりご連絡ください。
現在身寄りが無く、自分の死後のお手続きにご不安がある方も遠慮なくご相談ください。丁寧に分かりやすくご説明させて頂き、ご不安を解消してご依頼者様がご納得いただけるよう最適なプランをご提案させて頂きます。分からないまま手続きが進んでいってしまい、説明のない金額まで取られてしまった、といったことはございませんのでご安心ください。