相続人の1人が遺産を隠してしまい、開示してくれず困っております。どのようにすればよろしいでしょうか?また開示させる方法はありますでしょうか?と言ったご相談が墨田区城東相続センターへ過去寄せられました。
前提として
まず前提として家庭裁判所の遺産分割手続きにおいて、遺産を調査することが目的でないため、開示させるには限界があります。
もちろん調停の時などは相続人に対してその遺産の範囲や内容につき意見を聞き、必要な情報や証拠を提出を促す場合もございます。また他に遺産がありそうな時はその証拠の裏付けとなるような資料の提出を裁判所がお願いする場合がございます。
従って相続人の1人が隠している財産を調査することを目的に家庭裁判所に申立てをしてもなかなか応じてくれないのが原則です。
財産開示を促す
すでに遺産分割調停が行われている場合、調停委員が調停の場で相続人に対して相続財産の開示を求めることが通常です。しかし調停委員の求めがあってもなお当該相続人が財産を隠していると疑われる場合、さらに調停委員に対して、当該相続人に財産開示を促すように求めることになります。
最も調停委員が財産開示を求めたとしても、残念ながら強制力はありません。そのため相続人が応じてくれない可能性もあります。そしてその場合でも相続財産の調査を強制力をもって裁判所がやってくれるわけでないのに注意が必要です。
弁護士による開示
弁護士は職務特権で、依頼者から依頼を受けた場合、銀行口座などの残高を弁護士会を通して照会することができます。この紹介は調停を申し立てる前に行なわれることが結構多いですが、調停後などでも可能です。
例えば相続人の1人が被相続人の銀行口座や証券口座、保険契約などを意図的に隠していることが疑われる時それらの金融機関に確認することができます。
なおこの制度について解答拒否することが不法行為に当たるのかが問題になったことがありますが、過去の判例では紹介への回答は公的な義務であり私的な権利でないことを確認した事例がございます。
裁判所への申し立て
裁判所に直接嘱託をする方法もあります。裁判所に申し立てる場合、家庭裁判所は相続財産の詮索を行う機関ではないことをまず前提に置くことが重要です。
そのため調査嘱託の申立てをするのであれば、事前に弁護士紹介を行うなど調査を尽くした上で申し立てる調査嘱託事項を限定して、申し立てる意義や必要性を具体的かつ丁寧に裁判所にできる必要はあります。