被相続人の写真等データの公開

被相続人が生前撮影していた写真や動画、執筆していた文章などは、相続人がオンライン上で公開することは可能でしょうか?

著作物の要件を満たす小説データや写真・動画データに関して、複数の相続人がいて遺言や遺産分割協議が完了していない場合、公開するには相続人全員の同意が必要と考えられます。

著作権の観点とは別に、相続人の合意による公開であったとしても、相続人以外の近親者が存在する場合には被相続人の小説データや写真、動画が、その近親者のプライバシーを侵害する場合、公開するリスクがございます。

著作権との関係

被相続人が執筆していた文章データや写真等が思想または感情を創作的に表現した物であって文芸、学術、美術、音楽の範囲に属する著作物の要件を満たす場合、著作権の関係が出てきます。

著作権と言っても広義の著作権には財産的利益である狭義の著作権と、人格的利益である著作者人格権があります。

著作権は相続の対象となり、遺言での指定がない場合や、遺産分割協議が完了していない場合、相続人間の共有となります。この際、共有するすべての相続人の合意がないと当該著作権の行使はできません。行使は共有者自身での利用、複製や第三者への公衆送信、第三者に対する利用許諾も含まれます。

当然ブログへのアップやSNSのアップは著作権の行使にあたると考えられるので、合意がない限りできません。一方著作者人格権は、著作者の一身専属的な権利であり、譲渡や相続が不可となります。

著作権法第59条

著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。

また著作者の名誉等を害する方法により、その著作物を利用する行為は、著作者人格権を侵害する行為となるため、被相続人が生前にとった写真や動画の公開が被相続人の著作者人格権を害してしまう場合、損害賠償や差し止め請求の対象になる可能性があります。

 

人格権との関係

被相続人の人格権に対する間接保護説の考え方からすれば、相続人が被相続人のデータなどを公開することは被相続人の人格権を侵害したものとは言えないでしょう。

しかし相続人が複数いる場合や、相続人以外の近親者がいる場合、その相続人や近親者自体のプライバシー権や個人の名誉を毀損する場合、公開を希望しない相続人や近親者とトラブルになる可能性が大であります。

まとめ

相続人が1人しかいない場合は、比較的スムーズに被相続人のデータ公開等ができる可能性があります。一方相続人が複数いる場合、著作権の行使は単独ではできないため、相続人全員の合意が必要になります。また、被相続人の名誉を毀損してしまう場合なども、公開することは不適切です。

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